アイダーダウン
ちょっと珍しい羽毛布団をリフォームしたので紹介します。
⬆︎この見た目処分されてもおかしくない使い古された羽毛布団
実は、アイダーダウンと言って数十万円する貴重な羽毛布団のなのです。
通常のダウン(ふわふわな綿毛)と違い
自然の中で育ち、卵を孵した後、巣に残った(絡まった)羽毛を手作業で採取されています。
その巣に絡まるダウンは、ボール状の中心から伸びる沢山の綿毛の先に特長があります。
フック状になっているのです。(拡大するとね)
そのフック状の先端が互いに絡まりあい 巣にも絡みつくわけですが、
ふとんにすると、布団の中で絡まり合い より大きなダウンボールになります。
そこに含まれる多くの空気が断熱材の役割を果たし保温性が格段に向上します。
羽毛布団の中でもかなり特殊で超最高級品です。
そんな貴重な羽毛ふとんを緊張しながら解体してみると。。。。
こんな色のビックリなダウンなんです。
知らないと驚く(゚д゚)! 実はこの色こそ、アイダーダックの証!
これで間違いないとほぼ確定できるのです。
未知のダウン!
でも手に取ってみると。。。ウ~ン...これは...
確かにアイダーダックダウンには違いないけれど...様子が違います。
ダウン同士が絡まる感じも少なく、ベタ~・ジト~っとした感じなんです。
そういえば預かるときオーナー様が言ってました。
一年中使っていると。。。。(;´Д`)
そう、使い過ぎにより人の汗油や汚れからダウンがべた付いてしまっているのです。
仕上りに厳しい感じもありましたが、私にとっては未知のダウン。奇跡を信じてリフォーム洗浄を開始。
ダウンから汚れを落とすよういつもより慎重に洗剤を軽量、洗浄機も細かく設定
除塵もしっかり! 乾燥は短時間に素早く
(何せ未知なので感に頼りますが、マシンの設定も優しく丁寧に)
で!仕上がったダウンは↓↓
ふわっふわ!です。 手に取ってみると
おお!くっついてきます!絡み合ってます!
ベタベタしていたダウンは、フワフワしてます。
羽毛の側生地にもこだわりました。
少ない量のアイダーダウンの特徴を限られた予算内で最大限に引き出せるように選んだ縫製は!
超長綿60サテン 6×8キルト 48マス完全立体縫製。
細かく区切られたマス目で体へのフィット性を高め。
同時に少ない量でも片寄りが発生しない一石二鳥の効果があります。
一年中酷使されることも考えて耐久性と予算のバランスから、周りには飾りパイピング処理した超長綿60サテン
超長綿100%生地なので、使えば柔らかく肌に馴染む愛着ある一枚になることでしょう。
今回アイダーを扱ってみて感心したのは、ダウンが丈夫なことでした。
あそこまで酷使されてべた付いたダウンが、それに気づかないほど復元されることに驚きです。
品種の違い以外には理由はわかりませんが、ダウンが成熟された親鳥からのみ採取されていることや野生であること、もともと汚れが少ない環境下でのダウンなので洗浄その他の傷みが、最初から少ない事なども影響しているのでしょう。
一生涯使えるだろう素晴らしいダウンをリフォームできたことで、自分もアイダーダウン使いたくなってしまいました。